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2017年7月14日金曜日

所得税額の逆転現象はないという話

日本では所得税について累進課税が適用されているので、所得額が上がるほど税率は高くなります。例えば所得額が 695万円〜900万円の場合税率は 23%、900万円〜1800万円の場合は 33% です。ということは、899万円稼ぐより901万円稼いだほうが手取りが減るじゃないか!というようなことを言う人がいますが、そんなことはありません。このあたりの仕組みを少し解説しようと思います。
このことを知らずに節税の豆知識だみたいなことを言いふらしている人が時々いますが、ちゃんと国税庁のサイトを見ればわかる簡単なことです。そもそも国税に関する法律を作った人はそんなに馬鹿ではないのです。
とりあえず、国税庁のサイトを見てみます。
税率だけ見ると、所得が 900万円の時に税額が 900万円 x 23% = 207万円、901万円の時には 297万円となり、それぞれ手取りが 693万円、604万円となるので、901万円稼ぐくらいなら 900万円稼いだほうがいいじゃん、とか言う人がいます。が、ちゃんと下の注意を読みましょう。
(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円
 所得税の税率 - 国税庁
というわけで、逆転現象が起きないようにオフセット分があるわけです。言い方を変えると、900万円を超えた部分に 33% の税率がかかるようになっています。
この控除額も考慮すると、手取りはそれぞれ 7,566,000円、7,572,700円となり、1万円所得が増えると手取りはちょうど6,700円増えるようになります。
グラフにするともっとよくわかります。
どの点でも手取り、税額とも連続です。(微分可能ではないです)
ちなみに、逆転現象に近いことが起きることはあります。いわゆる 103万円や130万円の壁です。給与収入が 103万円を超えると基礎控除と給与所得控除(ちなみに給与所得控除も収入金額によって変わりますが同じように計算すると連続になります)の金額を超え、所得税を収める必要ができます。すると、扶養控除から外れて扶養者の手取りがガクッと減る可能性があります。給与所得が 130万円を超えると社会保険料を払う必要が出てきます。
というわけで、普通の給与所得者であれば少なくとも収入と手取りは単調増加です。あまり気にせずどんどん稼ぎましょう。

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